人工呼吸器 用語集

| | | | | | | | | | | 全表示 | ◆別ウィンドウです。見終わったら閉じてね♪◆
[ | 管理用 ]

【は 行】

肺活量(はいかつりょう)

【呼吸器関連用語】VCぶいしー  vital capacity
深吸気位からゆっくりできるだけ多く吐き出させたときに得られるカス量。
できるだけ速く吐き出させたときの努力肺活量どりょくはいかつりょうとは異なるもの。


背側無気肺(はいそくむきはい)

【病態】
臥床中の人工呼吸装着患者が、重力により肺の背側部分に無気肺むきはいをつくった状態。
ARDSえーあーるでぃーえすにおいても顕著となり、非常に大きなシャントしゃんととなるため低酸素血症の原因となる。
腹臥位体位ドレナージが有効。


肺胞気-動脈血酸素分圧較差(はいほうきどうみゃくけつさんそぶんあつこうさ)

【呼吸器関連用語】A-aD02えーえーでぃーおーつー
肺胞気と動脈血のガス圧の差のことで、肺におけるガス交換の障害の程度を表す。
正常では10mmHg以下で、年齢とともに大きくなる。
増加する原因としては、換気・血流比の不均等分布、ガス拡散障害、シャントしゃんとの増大、吸入酸素濃度の増大、などがある。
ちなみに炭酸ガスでは肺胞気と動脈血のガス圧の差はほとんどみられない。


バッキング(ばっきんぐ)

【呼吸器関連用語】
気管内挿管、気管切開カニューレ自体の刺激や人工呼吸器との呼吸のリズムが合わなくなったために、患者の咳嗽反射を誘発し、咳込んだ状態。
気道内圧きどうないあつが高くなるために危険である。
ファイティングふぁいてぃんぐ


バックアップ換気(ばっくあっぷかんき)

【呼吸器関連用語】
バックアップ機能 人工呼吸器が作動状況の異常(故障など)や無呼吸を感知すると患者の安全を確保するために、呼吸器の設定が固定プログラム(一回換気量いっかいかんきりょう、換気回数、酸素濃度)の換気へ変更される機種がある。
この作動状況をバックアップ換気という。


VAP(ばっぷ)

【病名】venti1ator associated pneumonia
挿管,人工呼吸管理中に発生する肺炎をさす。
グラム陰性桿菌によるものが多い。
呼吸回路からの感染だけではなく,消化管由来の細菌も関与するとされている。
消化性潰瘍薬投与による胃内pH上昇との関連が重要視されている。


BB(ばふぁーべーす)

【呼吸器関連用語】buffer base 緩衝塩基かんしょうえんき(かんしょうえんき)
体の中で塩基として働く塩基つまり重炭酸イオン、リン酸1水素イオン、蛋自質などの総量を緩衝塩基かんしょうえんきという。
血液での正常値は46mEq/Lぐらいである。
ただし蛋自質の中ではヘモグロビンが大きな役割をしており、ヘモグロビン濃度の変化によって、緩衝塩基かんしょうえんきの量は大きく変動する。
これら緩衝塩基かんしょうえんきは体内で水素イオンが増えたとき、その水素イオンを結合状態の水素イオンにしてしまい、遊離水素イオン濃度の増加を抑える働きをする。


barotrauma(ばろとらうま)

【病態】
圧外傷あつがいしょう


パーミッシブハイパーカプニア(ぱーみっしぶはいぱーかぷにあ)

【呼吸器関連用語】permissive hypercapnia  高炭酸ガス許容法
高い気道内圧きどうないあつ圧外傷あつがいしょう、循環障害、肺の過膨脹による種々の肺障害などを起こすことが知られている。
これらの肺障害を防止するためには、気道内圧きどうないあつの上昇と肺の過伸展、過膨脹を制限することが必要である。
そのために、高炭酸ガス血症が生じても許容するという方法をとる。
一般的には、最高気道内圧さいこうきどうないあつは35cmH20,Paco2は80mmHgまでとする。
ただし、脳外傷、脳腫瘍、脳出血などで高炭酸ガス血症によって脳圧が亢進すると危険に陥る症例、もしくは高炭酸ガス血症による危険が特に増大する症例では行わ ないのを原則とする。


非侵襲的気道内陽圧換気(ひしかしゅうてききどうないようあつかんき)

【呼吸器関連用語】 NlPPVえぬあいぴーぴーぶい NPPV  noninvasive positive pressure ventilation
気管内挿管チューブや気管切開カニューレを介さず、鼻マスクやフルフェイスマスクを用い、自然気道で行う換気方法。
経口摂取や会話が可能で、咽頭障害も少ないという利点があるが、適応を慎重に選択する必要がある。


Pi02/FiO2(ぴーあいおーつーえふあいおーつひ)

【呼吸器関連用語】PiO2/FiO2比  PFratioぴーえふらしょー
肺の酸素化能を評価する1つの方法。
吸入気酸素濃度きゅうにゅうきさんそのうどに対する動脈血中の酸素分圧の比で表す。
簡便なためによく使用される指標である。
350以上が正常である。


PlP(ぴーあいぴー)

最大吸気圧さいだいきゅうきあつ


PSV(ぴーえすぶい)

【モード名】 pressure support ventilation
圧支持換気あつしじかんき


PFratio(ぴーえふらしょー)

Pi02/FiO2ぴーあいおーつーえふあいおーつひ


PEEP(ぴーぷ)

【呼吸器関連用語】positive end expiratory pressure  呼気終末陽圧こきしゅうまつようあつ
呼気の気道内圧きどうないあつがゼロにならないように一定の圧をかけることで,すべてのモードに適応されうる。
肺胞の虚脱を防止し,血液の酸素化を改善する。
CPAPしーぱっぷとは呼吸モードの1つであり,PEEPとは圧自体をさす。


ファイティング(ふぁいてぃんぐ)

【呼吸器関連用語】 fighting
患者の呼吸と人工呼吸器の補助や強制換気が合わないこと。
チューブの位置や気道内の分泌物が原因のこともあり、適切な鎮静やケアが重要だが、原因の追及とともに人工呼吸器の設定を再考することも必要である。


腹臥位体位変換(ふくがいたいいへんかん)

【呼吸器関連用語】
腹臥位体位ドレナージ
背側無気肺はいそくむきはいのあるような場合に腹臥位にすると換気能力のある(腹側の)肺に血流が多く分布し、シャントしゃんとが減少し、血液の酸素化を改善する。
1回の腹臥位時間はおおむね2〜4時間程度、腹部圧迫や神経圧迫の注意が必要。


フレイルチェスト(ふれいるちぇすと)

【病態】flailchest
隣接する3本以上の肋骨が2か所以上で骨折している場合、吸気時に骨折部が陥凹し、呼気時に膨隆する奇異性呼吸となる。
肺を膨らませ、内側からの固定、骨癒合促進を目的として気道内陽圧換気を行う場合もあるが、鎮痛が最も重要。


分時換気量(ふんじかんきりょう)

【呼吸器関連用語】 MV
一回換気量いっかいかんきりょう(mL/回)×換気回数(回/分)のこと。
1分間の換気量(L)をさしていう。
人工呼吸器の設定分時換気量と呼気分時換気量こきふんじかんきりょうが大きく異なる場合は、回路のリークなどを考える。


VlLl(ぶいあいえるあい)

【病態】venti1ator induced lung injury
人工呼吸に併発する種々の肺損傷をさす。
圧外傷あつがいしょうや肺実質損傷のかたちをとる。
圧外傷あつがいしょうを避けるためには最高気道内圧さいこうきどうないあつは40cmH20(3.92kPa)以下で管理するが,圧だけでなく肺局所の過膨張も重要視されている(barotraumaばろとらうま)。


VE(ぶいいー)

【呼吸器関連用語】
呼気分時換気量こきふんじかんきりょう


V/Qミスマッチ(ぶいきゅーみすまっち)

【呼吸器関連用語】
換気血流比の不均等分布かんきけつりゅうひのふきんとうぶんぷ


VC(ぶいしー)

【呼吸器関連用語】
肺活量はいかつりょう


VT(ぶいてぃー)

【呼吸器関連用語】tidal Volume
一回換気量いっかいかんきりょう


分離肺換気(ぶんりはいかんき)

【呼吸器関連用語】DLVでぃーえるぶい  differential lung ventilation
肺分離専用のチューブを用いて、左右の肺のどちらかを換気したり、別々の換気様式にしたりする方法。
一側肺の出血(喀血)や肺炎、分泌物過多などに対して対側の肺を守る目的で行 ったりする。


プラトー(ぷらとー)

【呼吸器関連用語】plateu
吸気終末プラトーきゅうきしゅうまつぷらとー、EIP


Pressure support ventilation(ぷれっしゃーさぽーとべんちれーしょん)

【モード名】PSVぴーえすぶい
圧支持換気あつしじかんき


平均気道内圧(へいきんきどうないあつ)

【呼吸器関連用語】mean airway pressure
呼吸周期で変動する気道内圧きどうないあつの平均値。
血液の酸素化と平均気道内圧は直接関係する。
平均気道内圧を規定する因子としては換気回数、一回換気量いっかいかんきりょう、吸気時間、PEEPぴーぷ吸気圧きゅうきあつパターンなどがある。


BE(べーすえくせす)

【呼吸器関連用語】base excess 塩基過剰(過剰塩基)
37℃、Paco2 40mmHgのとき、1Lの血液のPHを7.40にもどすために必要な酸または塩基の量をmEq/Lで表したもの。
このBEは緩衝塩基かんしょうえんきの正常値からの偏差値を表す。
BEはアシドーシスが呼吸性のものか代謝庄のものかを見分けるパラメータである。
BEが正常(正常値はゼロ)ならばアシドーシスは純粋に呼吸性であり、BEがマイナスの値をとれば代謝性アシドーシスの要素が加わっていることを示す。


ベローズ(べろーず)

【品名】
従量式人工呼吸じゅうりょうしきじんこうこきゅう器において、換気量を得るために吸気ガスを送り込む、仲縮する蛇腹のバッグ。


補助換気(ほじょかんき)

【モード名】assisst ventilation
自発呼吸じはつこきゅうのある患者の吸気努力をトリガとして開始される強制換気をさす。


Powered by hds-1.00-beta8, Hyper Dictionary System